第6章 やっぱり好き。
遥side
結局手も繋げず夜に。
「そろそろ帰らねぇとな。危ない。」
「そうですね。」
もう終わりか・・・楽しかったな・・・
「・・・遥・・・あと1箇所だけ寄っていいか?」
「・・・はい・・・?」
坂間さんに黙って付いて行く。
何処に行くんだろう。
どんどん人気が無くなってきた。
大丈夫かな?
危険じゃないのかな?
「あの・・・坂間さん・・・こんな所来て大丈夫なんですか?全く人気がありませんけど・・・」
「あぁ・・・少しの間だけだ。」
「・・・はい・・・」
しばらく歩くと周りは灯ひとつ無い場所に。
その代わりに木々が並んでいた。
月の光だけが頼りだ。
「あの・・・坂間さ・・・」
「ここだ。遥、おいで。」
「はい・・・」
坂間さんの横に並んでみると、目の前には沢山の光が。
その正体は街に溢れかえった店や家の灯り、行き来する車のライトだった。
「綺麗・・・」
「ここ・・・好きなんだ。たまに来て気分転換してる。」
「そうなんですね。けど・・・どうして僕を・・・」
「それ・・・は・・・その・・・////」
?
なんだろ・・・
あ、前向き直しちゃった。
また沈黙・・・
どうしよう・・・
僅かに手が当たる。
繋ぎたい・・・
キスしたい・・・
恋人になってこの人の隣にいたい・・・
好きだって伝えたい。
っ!?////
坂間さんが手を繋いできた。
顔の表情は暗くてよく見えない。
けど、手から熱が伝わってくる。
「・・・坂間さんっ・・・僕っ・・・坂間さんの事がっ////」
もうどうにでもなれ!!
「坂間さんの事がす・・・っ!?」
頬が一瞬熱くなる。
周りの音が聞こえなくなった。
同時に坂間さんの顔がハッキリと見えてきた。
驚いてる・・・?
何が起きたの?
「遥っっ!!」
「へっ・・・?」
坂間さんがそのまま抱きつき地面に倒れる。
何が・・・
よく分からなかった・・・
頬には痛みが走り始め、何かが垂れてきているのが分かった。
手に取って目を凝らす。
「・・・血?」