第5章 恐怖心と恋心
遥side
やってみますと言ったものの・・・
今更怖くなってきた。
「俺はもう行きます。」
「あ・・・はい・・・」
須賀野さんを引き止めることが出来ず、また部屋で1人膝を抱え考え込む。
「はぁ・・・できるかな・・・」
告白なんてした事ない。
どんな風に言えばいいのかな。
「遥。いるか?」
「はひ!?////」
須賀野さんが出てからすぐに坂間さんの声がした。
まだ心の準備がぁ・・・
髪乱れてないかな?
ゆっくりと扉が開き坂間さんが入ってくる。
「少し、話さないか?」
「・・・はい・・・僕も話したかったんです////」
坂間さんが隣に座り優しく話しかけてくれる。
初めの頃の威圧なんてどこにも無い。
「遥、その・・・すまなかった。俺が悪かった。」
「え・・・あっ・・・いえ、もう気にしてません。僕も黙ってここを出たので心配かけてしまいました。」
「それに料理も・・・ありがとう。良かったらこれからも作ってくれねぇか?毎日じゃなくてもいい。たまにでいい。」
「・・・いいんですか?僕なんかで。」
「あぁ。お前に頼みたいんだ。ちょうど仕事探してたんだろ?」
「ありがとうございます!」
料理が好きだ。
それに、この人を笑顔にできる唯一の手段。
断るわけがない。
一時の沈黙。
分かってる・・・今から言わなきゃ。
胸の高まりを抑え大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせる。
よしっ!
「あの・・・坂間さん実は僕・・・」
言いかけようとして、坂間さんが口を開いた。
つい黙り込んでしまった。
「遥・・・結婚の話は無しにしよう。」
「・・・え?」
無し・・・?