第5章 恐怖心と恋心
遥side
「遥さん。入っても?」
須賀野さんの声が扉の向こう側から聞こえてきた。
「はい。」
涙を拭きあげ、態度良く座り直す。
「どうされたんですか?」
「遥さんにお願いがあります。」
「僕に?」
「はい。実は・・・」
須賀野さんは一息置き、僕を真っ直ぐ見つめ直した。
「親分に告白して欲しいのです。」
「こ・・・くはく?////」
「はい。」
「な、何で・・・そんな事・・・////」
「最近、あの方おかしいんです。仕事も中々捗らないみたいで。どうやら、あなたに嫌われていると勘違いしているみたいです。」
「嫌われているなんて、そんな・・・」
まぁ、確かに初めは怖がってたけど。
嫌いなんかじゃ・・・
「お願いします。」
「・・・や、やってみます////」
大丈夫かな・・・
だって告白だなんて・・・
・・・あれ、僕達・・・
結婚するんだよね・・・
今更告白・・・?
でもあの状況だったから正直ドキドキなんてしなかった。
お互いの気持ちだって知らない。
これってある意味、結婚までの段階をちゃんと踏むための良い機会かも。