第5章 恐怖心と恋心
遼side
何で泣いてんだ?
逃げ出してしまったし。
さっきのこと謝ろうと思ってたんだが・・・
やっぱり嫌われてんのか?
他の奴らとは楽しそうに話してるのに。
その場の割れた破片を拾い上げ、近くにいた奴らに片付けを頼んだ。
「・・・どうしたんですか?いつもより無愛想な顔をして。」
「俺、遥に嫌われてるかも・・・」
「何かあったんですか?」
須賀野が呆れたように尋ねてくる。
その質問に先程の経緯を細かく伝える。
「そしたら、顔を真っ赤にして泣き出して、逃げた。」
「顔真っ赤?」
「あぁ。すっげぇ真っ赤だったな。それ程嫌なのかもしれない。」
すると、さらに呆れたように頭を抱え大きなため息を吐いた。
そして、たった一言。
「困った人達ですね。」
「?」
どういう事だと聞こうとしたら、黙って出ていってしまった。
なんだ?