第5章 恐怖心と恋心
遼side
「腹減ったな。」
「そうですね・・・お昼にしましょう。」
食堂に向かう。
?
なんか騒がしいな。
いつもならどちらかと静かだ。
俺が前に食事中は静かにして欲しいと言ってからは静かになった。
流石にうるさすぎる。
こんなんで食事なんて・・・できるか。
俺は勢いよく扉を開ける。
「おい、お前ら。食事は静かにと・・・っ!」
「っ!あ、えっと・・・勝手にすみません!!」
目の前にいたのはたくさんの料理を持った遥だった。
エプロンを付けている。
可愛い。
「坂間さん、鼻血。」
「あ・・・」
色々想像してしまった。
こんな妻がいれば幸せだろうな。
っ!じゃなくて・・・
「何やってんだ?」
「えっと・・・お腹空いたんで作ってたついでに皆さんの分もと思い・・・勝手にキッチン借りました・・・」
「料理人は?」
「えっと・・・あそこに・・・」
指さした方向には椅子に座り、遥の作った料理を頬張る姿が。
「おい・・・お前・・・仕事もせずに何やって・・・」
「ち、違うんです!僕が無理言って食べてもらってるんです!!」
「え?」
「いつもお世話になってるんで・・・僕ができるのこれくらいしかなくて・・・」
遥は料理をテーブルに置き、頭を下げて謝ってきた。
「迷惑だったならすみません!もうしません!」
「いや・・・その・・・」
まずい・・・こんなはずじゃ・・・
というか、俺も食べたい・・・
「坂間さんも食べたらどうですか?」
須賀野が料理を頬張りながら言う。
俺より先に・・・
近くの席に座り、目の前のスープを一口啜る。
「・・・っ!」
「ま、不味かったですか?!それなら出してください!!」
いや・・・違う・・・
むしろ逆だ・・・
こいつらが騒ぐのも無理ない。
「・・・美味い・・・」
つい口からその言葉が出てきてしまった。
「・・・へ?////」