第5章 恐怖心と恋心
遼side
遥をまた泣かせてしまった・・・
後を追いかけて、部屋の前に着いたが、鍵をかけられ、さらには部屋の中で泣いているのが聴こえた。
「何やってるんですか?」
「須賀野・・・」
自室に戻り、経緯を話す。
「・・・怒ってるんですか?」
「怒ってない。」
「あなたの事ですから、また顔色変えずに話してたんでしょう。」
この顔は生まれ付きだっての。
どうしたらいいんだよ。
「それから、遥さんの言ってることは間違えてないのでは?あの時、坂間さん放心状態でしたから、よく話も聞かずに適当に答えたのでは?」
確かに、今思い返せば俺が悪い気がする。
謝りに行かねぇと。
「どこ行くんですか?」
「遥の所だ。謝りに行く。」
「その顔で?」
「何が言いたいんだ?」
須賀野が呆れたようにため息をつく。
「そのままだと、いつまで経っても遥さんは振り向きませんよ。」
「ぐっ・・・」
「表情の練習をしましょう。」