第1章 縛り
お腹空いてきた。
ほんとに監禁されてるみたい。
鍵を開ける音がした。
誰か入ってくる。
「腹減っただろ。何か食べたいのはあるか?」
「・・・あ、えっと・・・なんでもいいです・・・」
さっきの人だ。
「そうか・・・」
そう言って再び部屋を出ていく。
しまった。
また名前聞きそびれた。
「はぁ・・・拓真何してるかな・・・」
しばらくすると、部屋に料理を持ってきた。
よく見ると、豪華な料理ばっかり。
「好きなだけ食べていい。」
「え、でも・・・」
こんなの食べて罰あたらないかな?
それこそ、この人の前で堂々と食べるのが怖い。
「どうした?気に食わないか?」
「いえ!!そんなんじゃ・・・いただきます。」
このまま食べない方が殺されそう。
あ、そうだ。
「あの、名前聞いても・・・」
「あぁ、そうだったな。俺は坂間 遼(りょう)。」
「坂間さん。あの・・・因みに歳はお幾つなんですか?」
こんなに聞いて怒られないかな?
「26だ。」
26歳で親分?!
若い!
「?どうした?」
「い、いえ!なんでも・・・」
え、じゃあ、僕、9歳も離れた人と結婚するの?
どうしよう。
というか、坂間さん怖い。
目付き悪いし・・・
ずっと睨まれてる。
帰りたいよ・・・
また泣いちゃった・・・
この人と結婚なんて・・・やだよ・・・
でも逆らえない・・・逆らったら殺される。