第1章 縛り
こんな生活が始まってたぶん1週間は経った。
携帯もテレビもないこの部屋では、日にちすら分からない。
いつまで続くのかな?
「遥、起きてるか?」
「はい。」
「少し話をしないか?」
「ぼ、僕も、話したかった所です。」
坂間さんは僕の座るベッドに腰をかける。
「その・・・体調は大丈夫か?」
「はい、何ともないです。」
「なら良かった。・・・明日、ここを出る。」
え、出る?
「僕、外に出れるんですか?」
「いや、遥は外には出れない。すまないが・・・」
「どうしてですか?」
「・・・駄目だからだ。」
「僕・・・何も外の事分からないのは嫌です。ずっとこの部屋にいて、今日の天気は晴なのか雨なのかも・・・あっ・・・」
余計な事言っちゃった・・・
わぁぁ・・・殺される!!
顔がすっごい怒ってる!!
「ご、ごめんなさ・・・うっ・・・ごめんなさい・・・」
声が震える。
「・・・いや、いい。俺も縛りすぎた。」
そのまま何も言わず出ていってしまった。
ど、どうしよう・・・
完全に怒らせちゃった。
けど、こんなに縛りがあるのは・・・きつい。