第5章 恐怖心と恋心
遥side
川口さんの仕事見学から帰ってきたのは夕方。
これからまだ仕事らしく、僕は先に帰された。
川口さんの仕事・・・僕には無理だ・・・
現場に着いて1番に目に入ったのは、沢山のΩの人達だった。
身体を売る仕事らしい。
僕はヤクザだから、身体は売らなくていいって言われたものの・・・
向いているのは間違いなく売る側。
本人達は同意の上で身体を売っているらしいが、中には借金を返しきれず、仕方なくしている人もいるらしい。
川口さん達はかなり高い値段でΩの子達を売っている。
今日はお金を支払えないと言ってきたお客さんがいた。
さすがに、それは許されないようで、どこかへ連れていかれていた。
川口さんは見ない方がいいって言って隠してくれたけど、声は聞こえていた。
「何・・・やってたんだろ・・・やっぱりヤクザはヤクザか・・・」
僕には向いてない。
だからと言って身体を売るなんて・・・出来ない。
今更だけど、やっぱりヤクザは怖いな・・・