第5章 恐怖心と恋心
遥side
「さ、坂間さん・・・その・・・」
「・・・須賀野。出てくれないか?」
「はい。」
坂間さんが、気を使ってくれた。
それより・・・
さっき話してたの本当かな?
僕の聞き間違い?
子供ができたら面倒臭い・・・
でも普通はそうだよね。
別に好きじゃない相手との子供が出来ても嬉しくなんかない。
僕だってそうだ。
きっと僕はこの人の性奴隷みたいなものだし。
「昨日はすみませんでした。急に変な事言って。それに・・・子供・・・欲しいだなんて・・・」
「あぁ。あれは俺も悪い。気にすんな。」
「・・・僕、時々、制御出来なくなっちゃうんです。前にも、拓真とあって・・・ゴム破いたのも今思えば何やってんだろって・・・本当すみません。」
深く頭を下げ謝る。
坂間さんが椅子から立ち上がり、こちらに近づいて来る。
そして、手を僕の方へと差し伸べてきた。
殴られるっ!
そう思って覚悟を決め、目を固く瞑る。
「・・・大丈夫だ。仕方ねぇだろ。」
「っ!?////」
目を開けると、頭を撫でられていた。
その手は見た目とは反して、とても優しく、暖かく感じた。
そして、見た事もない優しい笑顔を向けていた。
この人も笑えるんだ・・・