第3章 新しい生活
遥side
「けど、呑んで大丈夫なのか?」
「分かんないですけど、たぶん、大丈夫です。」
「たぶんか・・・」
「じゃあ今日の夜は空けとけよ?」
「はい!」
川口さんは初め怖かったけど、全然そんなこと無くて、面白い人だ。
中原さんはあまり感情が読めないけど、僕の事をちゃんと思ってくれて、優しくしてくれる。
山田さんは少しお調子者って感じの人。
坂間さんといつも一緒にいる眼鏡をかけた須賀野さん含め、この4人は幹部らしい。
坂間さんの次に偉いって事かな。
その下にも何人かいるらしいけど、今は仕事中らしい。
つまり、坂間さんの下には4つのグループがあるって事で間違いないのかな?
ヤクザの造りって結構面倒くさい。
「で?遥はどこに配属すんだ?」
「それは・・・分かんないです・・・」
「じゃあさ、俺の所入れよ!」
川口さんが前のめりに勧めてくる。
「川口の所より、俺の所の方がいいぞ?」
「えぇ?」
中原さんまで・・・
「中原のところはダメだよ。真面目すぎて頭割れる。それより俺の所の方が安全だし、楽しいぞ!」
「山田さん・・・」
「お前ら!俺が1番に誘ったんだぞ!?」
「順番なんて関係ない。」
「そうそう。遥がいかに仕事しやすいかだよ!」
「・・・皆さんありがとうございます。でも、僕Ωだし・・・足でまといになるだけです。」
「・・・Ωねぇ・・・俺ら4人も坂間さんと同じαだしな・・・後は全部β。」
「まぁ・・・俺らと仕事するのは苦労しそうだよな。」
「・・・坂間さん何考えてるんだろうな。」
「なんか、変な空気にしちゃってすみません。」
「いや、遥は悪くないよ。・・・遥、面白い事教えてやるよ。こいつな、こう見えて、犬大好きなんだ。」
中原さんが川口さんを指さして言ってくる。
「な!?お前!誰にも言うなって・・・写真まで持ってんのかよ!////」
僕に真顔で写真を見せてくる。
川口さん、顔がとろけてる。
ほんとに犬好きなんだ。
「ぷ・・・意外ですね(笑)でも動物好きって素敵じゃないですか?」
「そ、そうか?////」
「照れんじゃねぇよ。変態ゴリラ。」
「ゴ、ゴリラ!?」
「ほんとゴリラみたい。」
「ぷ、ははは(笑)」
「遥まで・・・笑うなよ・・・////」
この人達、ほんとに面白くて優しい。