第11章 幸せな家族
幸希side
父親か・・・
生まれた時からずっと一緒にいたのは遥とおじさんだったからな・・・
初めはおじさんが父親だと勘違いしていた。
「それじゃ、検査結果配るから出席番号に取りに来て。」
この顔は父親に似てる・・・
そう言われても見た事がないから本当か分からない。
10年以上も待ってる遥は凄い。
俺自身、おじさんが父親だったら嬉しい。
「お前なんだった?」
「βだよ。」
「やっぱりなー。お前平凡だもんなー。俺もだけど。」
「大体、αとΩは珍しいんだって。」
周りは結果の事で盛り上がってる。
「それは必ず両親にみせてね。」
第2の性別ね・・・
面倒臭い世界だ。
俺は検査結果をバッグの中にしまい、教室から出た。
ゆっくりと歩きながら家へ向かう。
「ただいま・・・」
知らない人の靴。
男だ。
まさかっ!
靴を脱ぎ散らかした状態で近くのバッドを持ち部屋に向かう。