第10章 愛しているから
遥side
「いっ!!」
髪を引っ張られる。
「遥っ!」
「毎日・・・毎日・・・飽きねぇな。」
「いだいっ・・・離してっ・・・」
そのまま横にあった棚に打ち付けられ、飾ってあったものが僕の上に降ってくる。
「うっ!」
「遥!てめぇ!」
「拓真っ・・・大丈夫だからっ!」
拓真を酷い目に合わせられない。
「・・・強がってんじゃねぇよ。イライラするな。」
「うぐっ!」
胸元を強く蹴られる。
息が出来ない。
「はぁ・・・」
再び髪を引っ張られる。
「いい加減にしとけよ。お前をまだ生かしてやってるんだ。最高の日の為に。」
「猪田さん!!」
部屋に慌てて部下の人が入って来た。
「何だ?」
「中原と・・・女がいません!!」
「っ!?!?」
良かった・・・
ちゃんと逃げれたんだ・・・
これで少しは中原さんも自由に・・・
「ふふ・・・」
「何笑ってんだよ・・・」
「・・・くく・・・」
「まさか・・・お前らは囮・・・このクソガキ!!」
「うっ!!」
左頬を殴られた。
目眩がした。
「やめろ!!遥!」
「お前も・・・」
「違います・・・これは・・・僕だけが考えました。拓真は・・・何も・・・知りません。」
「何言っ・・・」
「・・・折角、優しくしてやろうと思ってたんだが・・・やめた。」
これでいい。
これで拓真は傷付かない。
「・・・たっぷり楽しませてもらう。」
「・・・ふふ・・・」
「覚悟しとけよ、ガキ。」
充分覚悟は出来てる。
「はる・・・もう・・・やめてくれ・・・」