第10章 愛しているから
遼side
「遥を・・・早く助けてやってください。」
「・・・あぁ。今から行くところだ。」
中原の焦り様からして、相当危険な状態のようだ。
「須賀野。ここの見張りを5人。それ以外の全員に準備させろ。でき次第出発だ。」
「わかりました。」
早く会いに行かねぇと。
お腹の子も心配だ。
もし手遅れだったら?
遥の精神は?
アイツはまだ未成年だ。
それにこの世界とはかけ離れた人生を送っていたんだ。
かなり参っていそうだ。
また笑顔を取り戻せるだろうか。
「・・・坂間さん?」
「っ!すまない・・・考え事していた。」
「遥さんの事ですか?」
「あぁ・・・」
「考えてもキリないですよ。動かないと。」
「そうだな・・・」
「間もなく準備が整います。・・・坂間さん・・・俺達は一生付いて行きますから。」
「・・・あぁ。」
遥、待ってろ。
すぐ助けに行くからな。