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【R18】最高の結婚

第10章 愛しているから


拓真side

ん・・・いけね・・・
寝てた・・・

「遥・・・」

まだ起きねぇのか?

「遥?大丈夫か?」

「ん・・・」

うっすらと目を開け俺を見つめる。
いつもと違う。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・たく・・・ま・・・」

「どうしたんだ?!」

「息が・・・はぁ・・・はぁ・・・」

今まで普通に呼吸できてたはずだ。
どうして急に・・・
こんな事は初めてだ・・・

「ぼく・・・死にたくないっ・・・」

「っ・・・」

「まだ・・・遼くん・・・に・・・子供の顔・・・見せてない・・・から・・・」

「お前は死なせない!俺が助ける!だから待ってろ!」

「・・・はぁ・・・はぁ・・・かはっ・・・」

っ!?
また血を吐いた。
遥を早く病院へ連れて行かないと・・・

「誰か!ここを開けてください!遥がっ!」

扉を叩く。
入ってきたのは猪田。
遥に近づき、髪を掴みあげる。

「・・・効果が遅くなってるな・・・もう少し即効性が欲しい。」

「もう充分だろ!!遥を病院へ連れてってくれ!」

「・・・悪いけど、この餓鬼には初めから生きる道なんて無い。ここに来た時点で・・・いや、遼と関係を持った時点でそれは決まっていた事だよ。」

「ふざけるな!」

遥の表情がどんどん暗くなってきている。
目も虚ろだ。

息・・・してるのか?

「まぁ・・・まだ死なれちゃ困る・・・」

猪田が隣の部屋に遥を運んだ。
遥は初めから・・・死ぬって決まってたのか・・・?
だったら今までのアイツの努力は?
ずっと信じて助けを待っていたのに。

もう・・・助からないのかよ・・・





いや・・・待て・・・
アイツは確かに「遅くなってる」と言った。
この薬、もしかしたらかなり効いてるのかもしれない。

これがバレたら・・・中原さん達は・・・

隠し通さねぇと・・・
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