第10章 愛しているから
遼side
1ヶ月が経った。
走るのは難しいが歩けるようにはなってきた。
「187・・・188・・・」
「坂間さん、腹筋何回するんですか?」
「190・・・倒れるまでだ・・・」
「折角歩けるようになったんですから無理しないでください。」
筋力がかなり弱ってる。
これじゃ遥を助けれない。
「しかし・・・本当に1ヶ月で・・・やっぱり凄いです。」
「のんびりしてられないからな。で、今の状況は?」
腹筋をしながら須賀野の話を聞く。
「はい。全て調べ終えました。しかし、1つだけ気になる点が。」
「なんだ?」
「中原が・・・あっち側だと。」
「・・・やっぱりか。」
何となく予想はしていた。
ほとんどの情報が筒抜けになっていたのもアイツが原因か。
「・・・何か理由があるのではないかと。」
「だとしても裏切り者だ。・・・許す訳にはいかねぇ。」
足は動く。
あと少し・・・あと少しなんだ。
「須賀野、1週間だ。準備しておけ。」
「はい。」
足の痛みは相変わらずだ。
寧ろ、痛みを無視してリハビリをしていた。
腹筋を終え、仰向けに倒れる。
遥の匂いが完全に消えた。
もうこれ以上は耐えられねぇ。
待ってろ。
もう少しの辛抱だ。