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【R18】最高の結婚

第10章 愛しているから


中原side

やがて、父と母は息を引き取った。

「あぁ・・・父さん・・・母さん・・・」

姉は放心状態だ。
俺はそんな姉を抱きしめていた。

「いい!その絶望の顔!最っ高だよ!あっははは!」

こいつ狂ってる。

「智哉・・・なんで・・・こうなったのかな・・・」

「ごめん・・・ごめんね。姉ちゃん。」

俺のせいだ。
俺が「父さん」なんて叫んだから。

「ふぅ・・・少しスッキリした。・・・その女は見逃してやるよ。ただし、約束を守れ。何でも言う事を聞くんだな。」

「・・・分かってる。何をしたらいい?」

「そうだな・・・まずは・・・」

猪田が姉を担ぐ。

「いやっ!離して!」

「1週間後、俺の所まで来い。話はそれからだ。もし来なかったらこの女を殺す。」

「・・・分かった・・・1週間後だな。約束だからな。」

「智哉!何言ってるの!騙されちゃ駄目よ!」

「・・・姉ちゃん。大丈夫。ちゃんと迎えに行くから。それに、俺の弱みがなければこいつらも困るはずだ。約束は守るよ。」

「違う!そうじゃないわ!智哉、来ちゃダメだって言ってるの!全部嘘に決まってる!アンタも殺されるのよ?!」

「姉ちゃん、俺、父さん達に姉ちゃんのこと頼まれちゃったから。」

大丈夫、きっと。
こんな条件を出してきて裏切るはずがない。
それに、さっきの様子だとコイツは目の前で人を殺すのが趣味みたいだ。
絶望の顔が好きなのだろう。

「待ってて。必ず助けるから。」

「・・・来ちゃダメ・・・アンタだけでも・・・生きてよ・・・」

それは出来ないんだ。
ごめんね。
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