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【R18】最高の結婚

第10章 愛しているから


遥side

拓真と距離を置いて座るようになった。
顔色はまだ優れない。
近づきたいけど、拓真から離れていく。

もう一度声をかけてみようかと口を開いた時。

「うっ!かはっ!」

何かが上がってくる感じがした。
手を開いて見てみる。

なに・・・これ・・・

掌は真っ赤に染まっていた。
血だ。
吐血?
なんで・・・

そう言えば最近赤ちゃんが動いていない気がする。

まさか・・・
そんな訳・・・

「あ・・・嘘だ・・・はぁはぁ・・・何これ・・・」

その時、入口の扉が開いた。

「やぁ、元気だった?」

「!あの!・・・これ・・・どうなって・・・」

一瞬目を凝らしてこっちを見た。
何を言っているのか分かったのか不敵な笑みを浮かべた。

「ククク・・・アッハハハ!やっとだ!いいぞ!」

「え・・・」

「おい、あの餓鬼連れて来い!実験の続きだ!」

両腕を捕まれ隣の部屋に連れて行かれる。

「やだ・・・離してください!実験ってなんですか!?僕の身体に何したんですか?!」

「薬を打ったんだよ!お前はそれの被検体だ!」

被検体・・・?
あっ・・・そう言えば・・・言ってた。
拓真もその被検体ってこと?

「そんな・・・」

「成功に近づいてる・・・いいぞ・・・これで・・・」

僕はただ絶望するしか無かった。
その部屋を出る時に見えた拓真の顔は僕を見てさらに青くなっていた。
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