第9章 信じるべきは・・・
遥side
男の人に付いてきて辿り着いた場所はさっき僕達が閉じ込められていた部屋の隣。
部屋が繋がっているみたいだ。
「・・・くっ・・・」
拓真も両腕を2人の男の人に引っ張られて後ろから連れてこられていた。
「猪田さん。コイツどうします?」
猪田さんって言うのか。
「一緒に連れて来い。」
「あ、あの!拓真は治るんですよね?!」
「あれは試作品だ。丁度いい所に被検体がいたから試してるんだ。けど、あの状態だと思ったものとは違うみたいだな。」
「そんな・・・拓真は・・・どうなるんですか?」
「・・・さぁな。・・・新しい薬も出来た。次は新しい被検体にでも・・・」
「っ!?」
腕を捕まれ真ん中の台に抑えられた。
「試してみるか。」
不敵な笑みを浮かべ僕を見下す。
周りには複数の男の人が集まってきた。
「な、何するつもりですか!?」
「その前にお前のいい声を聞かせてくれ。アイツにどんな声でどんな顔でどんな身体を見せてたか教えろよ。」
「っ!やだ!!離して!」
「遥から離れろ!」
「うるさいな・・・」
拓真の喉にナイフを突きつけられる。
「っ!やめてください!!拓真には手を出さないで下さい!」
「・・・」
「お願いです。拓真に手を出すくらいなら僕を代わりにしてください。」
「遥っやめろ!」
僕は諦めて大人しくした。
僕を抑えてた人達も手を離す。
「くくく・・・いい!最っ高だ!やっぱり君は馬鹿だ!」
僕は拓真が叫ぶ声を遠くに感じながら、猪田さんに全てを委ねた。
「さぁ、楽しませてもらうよ。」