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【R18】最高の結婚

第9章 信じるべきは・・・


遥side

「ここだ。」

途中、誰にも会わず武器庫まで来れた。

「待て、遥。」

「「っ!」」

後ろから声をかけられた。

「遥下がってろ!」

拓真が僕のナイフを構え僕の前に立つ。
相手は中原さんだ。

「中原さん・・・どうして騙したんですか・・・」

「・・・俺だって・・・こんな事はしたくない。けど仕方が無いんだ。」

「どういうことですか?」

「遥、知り合いか?」

「うん。遼君の所にいた人だよ。」

「何でそんな人がここに・・・」

拓真も驚いている。
僕にもわからない。
仕方がない?

「・・・『好きだ』って言ってくれたのも嘘だったんですか?」

「違う!それは本当だ!」

「じゃあなんでこんな事!」

「俺は・・・俺だって大切な人を守る為なんだ。けど・・・やっぱりお前も守りたい。だからっ!」

中原さんは俯いていた顔を上げ、僕を真っ直ぐ見つめた。

「ここからお前を出したい!今すぐここから出るんだ!その扉を開けたら警報がなる。そうなったらもうここからは逃げられない。あっという間に囲まれて終わりだ。」

「・・・でも武器が無いと・・・」

「今は見張りが少ない。・・・いつあの人が帰ってくるかは分からないが、居ないうちに逃げるんだ。寄り道をしてる暇なんてない。」

「そんなの・・・今更信じろと?1度騙しておいて?」

「お前の気持ちは分かる。だが頼む。これだけは信じてくれ。」

僕にはもう何も信じられなくなっていた。
この人の言葉をどこまで信じたらいい?
普通は疑わないといけない。
遼君だってそうするはず。

拓真は?
拓真ならどうする?

普通の生活からこんな状況にいきなり置かれて、人を信じれる?

「遥、信じてくれ。この時間も無駄にしたくない。一刻も早くここを出ないと。」

「・・・拓真・・・」

「・・・正直、俺にはこの人が信じられない。会ったばかりだからな。けど、お前はどうなんだ?」

「僕は・・・今はこの人の言葉を信じるべきだと思う。確かにこの建物の中は全く人がいない。警報がなればどこからでも囲まれる。もちろん・・・ここの親分の人も直ぐに駆けつけると思う。でもね、あなたのことはまだ確実には信じられないです。」

僕は拓真の手を引いて逆方向に走った。

「遥!?」

「あの人も一応敵だ。今は逃げないと。もっと敵が集まる前に。」
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