第9章 信じるべきは・・・
遥side
真っ暗・・・
目が覚めた時は既に手を縛られ知らない場所に寝かせられていた。
地面は硬く、冷たい。
僕、もう終わりだ。
きっとこの子と一緒に殺される。
そう思った時、明るくなった。
「遥っ!?」
僕の名前が呼ばれた方を見ると、いくつかの人影があった。
あれは間違いない。
「拓真っ!」
ボロボロになった拓真は後ろに手を縛られ僕の居る部屋に投げ入れられた。
「うっ!」
「拓真は関係ないって言いました!早く解放してください!」
「だから約束したはずだ。『考えてやる』って。誰も『解放する』とは言ってないだろ?」
「騙したんですか!?」
「騙された君が悪いよ。遼は『罠だ』と言っていたのにな。」
そんな・・・
「しばらくここにいろ。またすぐ遊びに来てやる。」
僕は何も言い返せず、拓真の頭を支えながら言うことに従うしか出来なかった。
ふと、男の人が帰って行く後ろ姿を見ると、見覚えのある人がいた。
「中・・・原・・・さん?どうして・・・」
「・・・」
何も言わずに背を向けられた。
「あなたも・・・騙していたんですか?」
「・・・すまない。」
その言葉だけを残し扉を閉められた。
今までずっと、遼君のことを騙して探っていたってこと?
でも、どうして・・・
僕の事好きだって言ったのは?
それも全部・・・
嘘だったって事?