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【R18】最高の結婚

第9章 信じるべきは・・・


遼side

遥が連れ去られた。
その時俺は何をしていた?
この傷で動けず、押さえつけられてただ叫ぶしか俺にはできなかった。

大切な人1人守れなかった。
いや2人だ。
こんな俺が家族を持つなんて。
やっぱり無茶だったんだ。

それでも・・・
それでも俺は・・・

『遼君。』

大切な人が・・・

『大好きだったよ。』

大好きな人が・・・
笑ってそう言ってくれたから・・・

あの笑顔を隣で守り続けると誓ったから・・・
諦める訳には行かねぇんだ!

「うっ!クッソォォ!動けぇぇ!」

足の傷なんてどうでもいい。
こんなものあの瞬間の悔しさに比べれば・・・

「遥、待ってろ。今行くからな。」

壁に身体を預けながら外まで動く。
正直、足の痛みは酷い。
いつか読んだ『人魚姫』という本に出てきた『硝子の破片が散らばる上を歩いている様な痛みが』という表現が身に染みて分かる。
1歩踏み出すのが怖いほどに痛みが走る。
けど、そんな事言ってられない。

「親分!!」

「っ!須賀野っ・・・やっと来たか・・・車を出してくれ。今すぐにだ。」

須賀野が身体を支えてくれる。

「・・・遥さん連れていかれたのですね。」

「あぁ。だから早く・・・」

「お気持ちは分かります。ですがその足では無理です。まずは治療を・・・」

「時間がねぇんだよ!急がねぇと・・・遥が・・・」

「駄目です!その状態で行ったとしてもまた守れずに同じことの繰り返しです!」

「こんな怪我どうってことねぇよ!いいから早くっ!」

「・・・お許しください。」

「ぐっ!?」

腹に鈍い痛み。
その後目の前が真っ暗になった。
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