第9章 信じるべきは・・・
遥side
玄関に着いた。
身を屈め外の様子を伺う。
「遼君、どうやってここに?須賀野さんは?」
「このセンサが反応した。誰か侵入してきたら見張りのやつに知らせるよう言っておいた。アイツには止められたが車に乗り込んで運転してきた。」
「・・・ありがとう。来てくれて。」
「これくらい当たり前だろ。」
という事は護衛なし。
すぐ駆けつけてくるだろうけど、まだかかりそうだ。
「ここからどうするの?」
「そうだな・・・俺が乗ってきた車に・・・伏せろ!」
ドドドドド!
何発もの銃弾が僕達目掛けて飛んできた。
扉は穴だらけだ。
僕はかすり傷で済んだ。
「うぐっ・・・くそ・・・」
遼君は足を抑えていた。
立てないのか倒れ込んでいた。
よく見ると足は血だらけだ。
穴も空いている。
「遼君!!」
自分の着ている服を破り止血する。
「遥、お前は逃げろ。俺は動けねぇ。」
「そんなのやだよ。置いていけない。」
「遥、頼む。お前を守りたいんだ。」
「・・・やだ・・・」
「遥・・・っ!」
「やぁ、久しぶりだね。坂間遼。」
そこに立っていたのは見たことのない男の人。
「遥!早く!」
「無駄だ。」
周りはあっという間に取り囲まれていた。
「なに!?」
「遥・・・だったな。こっちに来たら遼は見逃してやる。」
え?・・・
「遥、駄目だ!信じるな!」
「遥。愛する人を守りたくないのかい?」
っ!!
「遥!耳を貸すな!そいつはっ!うっ!!」
遼君は頭を2人から押さえつけられ、身動き出来なくなっていた。
どうしよ。
僕があの人のところに行けば遼君は助かる。
でも赤ちゃんが・・・