第2章 笑わせたいのに
「予定変更だ。須賀野は俺と来てくれ。他の奴らは先に本拠地に。」
「はい。」
「ですけど、どこに行くんですか?」
「木原拓真の所だ。」
銃を装備しながら須賀野と話す。
「・・・殺すんですか?」
「ちげぇよ。そんな事したら余計に遥を悲しませるだろ。2人を会わせる。俺らは遥を守る。」
「はぁ・・・了解。」
須賀野はだるそうにしながらも、銃を装備する。
「遥。おいで。」
扉を開けて遥がビクビクと震えながら入ってくる。
「は、はひ・・・」
「・・・そんなにビビらなくていい。コイツらは何もしねぇよ。」
その場にいる俺の仲間は皆驚いていた。
中には初めて見る奴も多い。
「・・・さ、坂間さん・・・ぼ、僕・・・」
「よく聞け、篠田 遥だ。俺らの新しい仲間だ。」
「え・・・仲間・・・」
皆、ザワザワと何かを言い合っていた。
『こんな弱そうな奴が?』
『聞いた話、Ωらしいぞ?』
ここにはαとβしかいない。
Ωがいたら仕事しにくいのも当たり前か。
その度に遥はどんどん不安な表情になっていく。
「し、篠田・・・遥・・・です・・・よ、よろしくお願いします・・・////(泣)」
か・・・可愛いぃ・・・
泣きながら自己紹介をする遥を見たその場の全員が同時にそんな事を思った。
「と、とりあえず・・・ここを出よう。行くぞ。」
「坂間さんって嘘をつけないタイプなんですね。顔に出てますよ。」
「須賀野、ちょっと黙ってろ。」