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【R18】最高の結婚

第2章 笑わせたいのに


鍵を開け、扉を開く。

「おはよう、遥。」

「っ!おはようございます・・・」

俺を見て驚き声を震わせて挨拶を返す。
全然慣れてくれねぇな。

「ちょっと聞きたい事がある。」

「はい。」

ベッドの横に椅子を置き、座る。

「木原拓真って誰だ?」

「え・・・なんで知って・・・」

「調べた。お前とどういう関係だ?」

「た、拓真は・・・僕の親友で・・・兄弟みたいなものです・・・」

目を逸らして、ごもごもと呟く。

「それから?」

「え・・・」

俺の付け加えに驚き、汗をかく。
嘘をついているのはすぐにわかった。
何年もこの職業に就いていれば嘘なんてすぐに見抜けるようになった。

「別に怒らない。正直に話してほしい。」

「・・・僕の恋人です・・・」

その言葉を聞いて、少しも安心はしなかった。
むしろ、焦りと後悔が俺にのしかかった。

「・・・そうか・・・」

遥を守る?
それ以前に苦しめてるだけだ。
恋人がいるのに婚約を申し込まれ、恐怖で仕方なく頷き、訳の分からない所に閉じ込められて・・・

全部、俺が遥を好きになったからだ。
全部、俺が悪い。

けど、このまま返す訳にはいかない。
その瞬間、遥は殺されるかもしれない。
だったら、せめて、俺が決着を付けて幸せになってもらうのが1番だ。

「会いたいか?」

「え?でも・・・」

「いいから。会いたいのか?」

「・・・僕の我儘・・・聞いてくれるんですか?」

「・・・一応、婚約者だからな。我儘くらいは聞く。」

その言葉を聞いて、遥はどこか安心したように肩を落とす。

「・・・会いたいです。拓真に会わせてください。会うだけでいいです。その後は何でも言うこと聞きますから。」

どれだけ好きなのかが分かる。
それだけ、愛してるんだな。

正直、木原拓真が羨ましい。
俺もコイツに愛されたい。
好きって言われたい。

けど、それも叶う事はないだろうな。
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