第9章 信じるべきは・・・
遥side
時が過ぎるのはやっぱり早いもので、出産予定日まで、あと約2ヶ月になった。
外を見れば桜の花びらがまるで砂時計を表すようにひらひらと散っている。
お腹も立てば足元がすっかり見えないくらいに大きくなった。
転ぶと心配だからと、遼君からは無駄に歩くなと言われている。
遼君の仕事もかなり進んでいるそうだ。
ただ、メインの目的は達成出来ていないと言っていた。
きっと、僕を狙っている人達の事だ。
安心はできないな。
出産が近くなるに連れて、不安が募っていく。
上手く産めるだろうか。
しっかり育てられるだろうか。
この子は幸せになれるだろうか。
こういう気持ちになるのは仕方ないのかもしれない。
パーン
「っ!?」
銃声がし、僕は護身用のナイフを持ち構える。
誰?!
どこから?!
窓から覗くと須賀野さんの手下達が血を流して倒れていた。
どうして・・・
今は生きることを考えなきゃ。
玄関から何人か入ってくる。
この子を守る。
遼君が居ない今は僕が守る。