第9章 信じるべきは・・・
遥side
眠気も覚めたな。
何かしようかな。
ずっと横になってても暇だし。
あ、そうだそろそろ遼君帰ってくるから夕食作らないと。
ベッドから下り、キッチンへ向かう。
『今すぐここから離れろ』
・・・。
『子供も下ろすんだ』
どうしてあんなこと言うんだろう。
僕は凄く幸せなはずなのに。
遼君に相談した方がいいのかな?
そんな事話したら、中原さんと遼君の間に亀裂が入ったりしないかな?
調理しながら、中原さんの言っていた言葉について考えていた。
「遥ー。」
あ、帰っきた。
「お帰りなさい。まだご飯出来てなくて。」
「ただいま。ご飯って・・・腹に赤ん坊抱えてんのに料理なんてするな。俺がやるから。」
「あ・・・うん。ありがとう。でも疲れたでしょ?」
「お前の顔見たら安心して疲れなんてどっか行った。」
「またそういう事////」
素で言ってるのか狙って言ってるのか分からない。
「遥、座ってろ。」
「うん。」
遼君、料理出来るのかな?
僕が熱出した時作ってくれたけど・・・
あれ以来キッチンに立っている姿見てないような。
「できた。」
そう言って料理をテーブルに並べてくれる。
「遼君・・・料理出来たの?」
「まぁ・・・少し練習した。遥に作って貰ってばっかりじゃ申し訳ねぇしな。味は保証出来ないが。」
1口口に運んで味わって食べる。
「・・・美味しい!凄いよ!遼君!」
「本当か!?」
「本当だよ。」
「よかった・・・」
僕の為に頑張ってくれてる。
「僕にも何か・・・遼君に出来ないかな。」
「・・・何言ってんだ。一緒に居てくれるだけで充分だ。」
「でも・・・それだけじゃ・・・」
「遥。お前は腹に赤ん坊居るんだ。守ってくれてるじゃねぇか。その身体でよく頑張ってると思うぞ。」
「・・・そっか。」
こんなこと言ってくれる人、この世の中に何人居るんだろう。
本当にいい人だと思う。