第2章 How are you、Girl
「よーし、じゃあちょっくら行ってくっか。お前等ここで休んでな」
「「俺達も…!」」
「深手を負ってるお前達は足でまといだ」
「「………!」」
「大人しく回復に努めるがいい」
「「はい…」」
森の奥から感じる魔力は大きくて禍々しい。僅かに感じる暖かい魔力は恐らくチェリーのもの。氷使いなのに?
「俺さぁ…チェリーが氷使いだったなんて初めて知ったんだけど…お前知ってた?」
「いや、私も知らなかった」
ですよねー。大体一緒に任務行った時も最早魔導書開かず倒しちゃったり片付けちゃったりしてるからぶっちゃけ未知数だったんだけど…ユリウスの旦那は知ってるのか?いや、そりゃ知ってるか。
※※※
「何だよこの餓鬼!!!化け物みたいな魔力しやがって!!!」
『餓鬼でも無いし化け物でも無いし』
「お姉ちゃん!」
『大丈夫。氷創成魔法"氷の城壁(アイスキャッスル)"』
取り返した子供を氷の防御魔法で守って魔導書のページをパラパラと開く。
『さてと…時間かかっちゃってるし人質も助けたから一瞬で終わらせてもらいましょうかねぇ…』
一同「………!」
-ピリッ-
………!この魔力は。
-ドォン-
一同「っ!?」
『っ!荒い…』
「おー!何だピンピンしてるじゃねぇかチェリー」
『ヤミ!フエゴも!どうして?』
「帰宅が遅いからユリウスの旦那が心配してたんだよ」
「そう言う事だ」
『あー、そっか』
((無地の…純白の魔導書…?))
ここに向かう途中、色んなものに目移りして同行してくれてた先輩達が色んな所に寄ってくれて…気付いたら一日経ってたって事か。そりゃ一日過ぎても帰らなかったら心配になるよね。
『じゃあ手っ取り早く』
-すっ…-
「「!!」」
『氷創成魔法"氷狼の雄叫び"』
※※※
ガラガラと音を立てて凍てついた木々が倒れる。賊は綺麗な氷漬け。賊の背後にあった山は綺麗に削り取られている。
「うっわー何なのコレ…チート過ぎるでしょ」
『ちょっと力入り過ぎちゃったかも』
「いやいや、そんなんで山一つ無くならないから」
町一帯を覆う防御魔法と回復魔法をしてるのにこの威力の攻撃魔法。底が見えない魔力。