第14章 こどもの日
一「それにしても、今ここに毛利が居なくて良かったですな」
乱「確かに~(笑)」
薬「毛利は小さい子が大好きだからな。今の主を見て暴走していたかもしれん」
一「えぇ。悪い子ではないのですが、主に危害が及ばず安堵しております」
鶴「……って言いながら、いとも自然に抱っこしているな?」
一「はっ…、すみません、身体が勝手に…!!」
一期一振殿ですら乱心している。
と、いうか。
全員が乱心している気がする。
いつの間にか広間も、こどもの日の飾り付けが進んでいるし。
兼「おいおい、端午の節句といえばやっぱ兜だろ!?」
堀「そうだね兼さん!!」
安「違うよ!! 端午の節句っていったらお団子に柏餅でしょ!?」
清「安定はそれ一年中じゃん」
今「こいのぼりはどうですか!?」
歌「風に靡く鯉のぼり。風流だね」
鶴「いいねぇ! いっちょ派手に行こうぜ!!」
歌「風流、の意味を理解しているのかい?」
まぁ、皆が楽しそうだから、いいのかもしれない。
こんなに賑やかな子供の日は初めてで。
自然と、私も笑顔になっていた。
長「おいお前ら、肝心な事を忘れているだろう」
眉間にシワを寄せて、腕組をした長谷部くんが溜息まじりに発した。
その場にいた全員が、長谷部くんを見る。
長「主は見ての通り、幼子になってしまった。ならば、必要であろう。母親の存在が!! 誰が母親になるのか決めなくてはならない!!」
「「「「「「それだ!!!!!!!」」」」」」
主「どれだ」
また意味の分からないことを…と止めに入ろうとしたが。
蜀「やはり、それは僕じゃないかな。他の本丸でも燭台切光忠は”ママみがある”と定評があるし」
長「ふん、主のお世話に掛けては他の本丸でも”長谷部”に定評があるのは知っているだろう、母親は俺だ!!」
堀「お世話なら、僕だって負けませんよ!!」
歌「ふぅ。全く、掃除、洗濯、料理、裁縫…誰がやっていると思っているんだい?」
次「ねぇねぇ、見た目はアタシが一番ままっぽくな~い?」
清「ちょっとみんな何言ってんの? 主の初期刀は俺だし、俺が一番主といる時間が長いんだよ? 俺以外いなくない!?」
薬「母…と言われると分が悪いな。俺っちはどちらかというと旦那だしな」
鶴「なら俺も旦那に挙手だ」