第14章 こどもの日
主「あぁ、それは助かるよ歌仙さん。先程から引き摺ってしまって困っていたんだ」
歌「そうだろうね。ほら、どうかな? 主には可愛らしい桃色が似合うと思って」
にこやかに差し出されたそれは、いわゆる、おくるみ、では…??
私はそこまで小さくはないのだが…??
主「えっと……」
長「ほら歌仙、主が困っているだろう!! 主はそこまで幼くはない!!」
珍しいな、長谷部くんが正論を説いている。(失礼)
長「今の主に必要な衣服はこれだ!!!」
勢いよく差し出したそれは………
淡い水色のスモッグと、黄色い帽子……
何処かで見た事のある、というか、コスプレでは…??
主「何故そんなものがあるのだ」
安「あの衣装棚に入ってたよ? なんかね、いつか必要になる時が来るだろう、ってあの人の残した書き置き付きで」
兄様はいったいどれだけの未来を見ていたのだ!!!???
主「さ…流石は兄様、このような事態まで予測していたとは…。いやしかし、これを着るのは…いや、きっと兄様が仰るのだからきっと何か訳が……(ギリィ)」
清「主ほんとあの人が絡むとポンコツになるの何なの?」
何やら廊下が騒がしくなって、襖が開くと。
次「やっほ~主ちゃん♡ ほんと面白い事になったね~、飲む??」
一「次郎太刀殿、幼子にお酒など勧めないで頂きたい。それから、飲むなとは言いませんが、飲み始めるのは些か早いのでは?」
次「え~、堅い事言わな~い♪」
今「あるじさま、ごはんつくってきましたよ~♪」
燭「食欲はあるかい?」
主「あぁ、ありがとう。本日の献立は……」
どう見ても、離乳食………
蜀「味付けも優しめにしてあるから安心してね(曇りなき笑顔)」
一「すぷーんもありますぞ(曇りなき笑顔)」
主「……堀川くん」
堀「すみません…とても楽しそうに作っていたので…(目を逸らす)」
私は何かを諦めるように、思考を放棄して
長谷部くんの幼児コスプレ服を身に纏い
離乳食を頂く事にした。