第14章 こどもの日
「主……、その姿は……」
「目が覚めたら身体が縮んでいた」
「どっかで聞いたセリフだね」
「身体は子供だが、頭脳は大人…」
「主、それ以上は違う版権元から苦情が来ちゃいそうだからやめようか」
その後、近侍の清光くんが急いで政府に連絡を取ってくれた。
政府がいうには、そういう”バグ”はたまに本丸内で起こるらしい。色んな本丸から、そのような報告が上がっている、と。
しかし、それはどれも刀剣男士が対象で、審神者にそのような事例が起きたのは初めてという。
よって、暫く観察のうえ、報告書を提出せよ、との返事を受けた。
「石切丸殿、如何であろうか?」
取り敢えず、石切丸殿に見てもらう事にした。
他の刀達は、大部屋で待機している。
「う~ん…。霊力がかなり増大しているね。もしかしたら、増大した霊力に身体が追い付かなくなり、特殊な反応を示してしまったのかもしれない」
「ふむ…」
「それにしても、どうやってこれほどの霊力を…」
霊力増大の理由か…ふむ…??
特に身に覚えが無いが……
………。
昨夜→清光くんと一つになる(イカガワシイ意味で)
本日昼→安定くんと一つになる(イカガワシイ意味で)
………身に覚え…、ありました……。
「主?」
「いや、何でもない。身体が小さくなった以外に特に不自由もないしな。皆のところへ戻ろう」
取り敢えず着物を無理矢理身に纏い、石切丸殿と共に皆がいる大部屋へ向かった。
他の本丸ではこのような状況を”ご都合バグ”と呼ぶそうなのだが、ご都合なら着物まで小さくなってくれたら良かったのに、なんて思いながら、着物を引き摺って歩いた。
ちなみに、石切丸殿は抱っこしようかと提案してくれたのだが、流石に恥ずかしかったので丁重にお断り申し上げた。
※以下、たくさんの刀が喋りますので、台詞前にキャラの一字を表示します。紛らわしいので(笑)
乱「あ、主さん!! お帰りなさ~い♪」
乱くんがいの一番に抱き着きに来てくれた。
主「おっと。乱くん、みんな、心配を掛けてすまなかった」
鶴「いや~ほんっと驚きだな!!」
歌「全く、驚きどころじゃないよ。あぁ主、今主に着物を作っていたんだ。それでは動き辛いだろう?」