第9章 誉
「折角来てくれたんだ、茶でも…」
「あ、主さんお茶なら僕が淹れるよ!」
「主はそこでゆっくりしててよ、たまにはさ」
「ゆっくりしている方が落ち着かないのだが…でも、ありがとう」
堀川くんが淹れてくれたお茶はとても美味しくて。
(何故か兼定くんが誇らしげだった)
お茶を飲みながら、私が目を覚ますまでの事を聞いていた。
みんなが心配してくれた事に申し訳無さを感じながらも、嬉しかった。
「そうだ、池田屋での出撃の際の誉を、兼定くんに与えたいのだが…」
「お、よく分かってんじゃねーか」
「さすが兼さん♪」
「えー、倒した敵の数は俺が1番じゃない??」
「清光くんの倒した敵の数も天晴れだが、私が倒れた時に士気を上げてくれたあの姿、賛辞を与えるに十分過ぎるくらいだ。とても頼もしかった、ありがとう」
「お、おぅ…/// ま、当然だけどな!!」
「あ、照れてる」
「そんなんじゃねぇよ!!」
「ちぇー。ま、主がそう言うんじゃ仕方ないか…」
「…ところで…、誉、とは何をすれば良いんだ??」
たぁん!!!!
勢い良く、襖が開いた。
「やっぱり、あれっきゃないよね♪」
そこにはやけに楽しそうな乱くんがいた。
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「…なんだ、こりゃ…」
「衣装棚だよ♪」
「いや、見りゃ分かるけどよ…」
「見たことない服がいっぱいあるね…」
乱くんに案内され、辿り着いたは例の衣装棚。
「何で全員集合??」
「あぁ、ごめんね。この間衣装棚の話をしていたでしょ? ちょっと気になって…(笑)」
「へぇ、すげぇ量だなこりゃ」
「僕は隣の着物棚の方が雅で良いと思うが…」
「たまにはあるじさまのようふくもみてみたいじゃないですかー」
「さ、和泉守さん♪ 選んで選んで♪」
「はぁ? 俺が選ぶってのか!?」
「だって誉は和泉守さんでしょー」
凄く盛り上がっている…
どうやら、私に拒否権というものは存在しないらしい…
「これがこの時代の最先端の服なのか?」
「最先端というか最先悪というか」
「和泉守」
「あん?」
「お前なら…お前なら、分かるハズだ…」←制服を着せたい
「いやサッパリ分かんねぇよ長谷部」