第9章 誉

「お、やっぱりここにいたか」
「薬研！！！　主は！！？」



声を掛けた瞬間、手合わせをやめて一斉に薬研に駆け寄った。





「あぁ、さっき目覚めて、もう治療も済んだから面会出来る……って、最後まで聞いてけよ大和守」
「仕方ないですよ、ずっと酷く心配してましたから…」
「心配してんのは安定だけじゃないのにねー」









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「主！！！」





たぁん！！！っと襖を開けた




「あ」
「あ…あ、あぁっ、ご、ごめんなさい主！！！///」





き…着替え中だったぁぁぁぁぁ///




急いで襖を閉めたのだが






「構わぬよ安定くん。着替えではなく、ただ兄様の羽織を羽織ろうとしただけだからな」
「えっ！？ そうなの！？」
「あぁ。構わず入って来てくれ」
「し…失礼します…」




控えめにそっと襖を開けて、主を見た。
主のいつもと変わらない姿に、今までの色んな感情が溢れてきて、止まらなくなって



主をぎゅっと抱き締めた





「安定くん…？」
「主…良かった…無事で、本当に良かった…っ！！」
「…心配、掛けたな…」
「そんな！ 主は、僕のせいで…！！」
「…安定くん。あの時…安定くんは何か焦っているように見えたのだが…」






主にはお見通しだったみたい。
確かに、焦ってた

沖田くんみたいに、強くなりたくて…
どうしても、二階にまで行きたくて…

それを、拙い言葉で主に伝えた




「そうか…ならば、謝る必要はないな」
「え…？」
「安定くんは、みんなを守ろうとした。沖田殿のように…。ただ少し力が足りなかった、それだけの事だ」
「でも…」
「ならば、これから強くなれば良いだけの事。いや、私の方こそ次は完全に避けきれるよう精進せねばな」
「主…」
「目標と出来る人がいるということは幸せな事だ。…沖田殿…素晴らしい主を持ったな、安定くん」
「…うん！！」




「…良かったですね、大和守さん」
「なかなか、いい事言うじゃねーの主」
「当然でしょ、あの人の…妹、だしね」
「そりゃ、そーだな」
「にしても安定くっつき過ぎじゃない？」




「…皆も入って来たらどうだ？(笑)」
「え、バレてた！？」
「丸聞こえだったよ清光」