第7章 池田屋
「ここが、池田屋か…」
「さぁ!しんせんぐみがくるまえにやっつけちゃいましょう!」
「その前に、作戦は?」
「一階の時間遡行軍はみんなに任せる。僕がいち早く二階に上がるから、一階が片付いたらついてきて」
「わかった」
「主の事は…清光と和泉守、お願い出来る?」
「任せろよ」
「俺一人で大丈夫だと思うけど?」
「…私の事は気にしないでくれ。極力、皆の邪魔にならないようにする」
「この間のアレは止めてよね主」
「それは長谷部くんにも言われた…」
そっと一階へ踏み込む。
物陰から襲い来る時間遡行軍に勇猛果敢に立ち向かった。
室内ということもあり、動きが制限される中
容赦なく襲い掛かってくる遡行軍
先日の宇都宮城で対峙した遡行軍とは
レベルが違う
斬られたり、壁に叩きつけられたりする仲間達
これが、今ここで起きている現実
審神者の私が目を逸らす訳にはいかぬ
「-っ主さん!!」
「!!」
「大丈夫!?」
「あぁ、大丈夫だ。助かった堀川くん」
「ったく危ねぇな、俺の後ろに隠れてなァ!」
「ふ…見くびるな、巫女の力を見せてやろう」
「…おいおい、マジかよ…」
「あるじさまはつよいんですよー」
「そーそー。頑張んないと見せ場取られちゃうよー」
「へっ…、面白れぇ!!」
「兼さん無茶はダメだよ!!」
一階は…何とかなりそうだ…
安定くんは…?
辺りを見渡すと、安定くんが階段を上がっていくのを見つけた
私はそっとその後を追った
「首落ちて死ね!!」
次々と敵を薙ぎ倒していくのは流石だが
どこか…様子がおかしい。
何かを焦っている…?
不安が、過った
そしてその不安は、すぐに現実のものとなる
安定くんの前に、禍々しい気を放った1体が現れた
「安定くん!!」
「!!」
「あ…あるじ……」
一瞬だった
それでも
「安定くん…怪我は…無いか…?」
「あるじ……っ主!!!」
「はは…、元気そうで…よかっ…」
「主!!!!」
「安定! 一体何が…って…主!!??」
「あるじさま!!!」
主を抱き抱えたまま、動かない安定
その手には血がべっとりついており
肩で息をする主からは、どくどくと血が流れていた