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とうらぶ夢倉庫(長編館)

第6章 初陣




歌仙さんが、先程預けていた兄様の羽織をバサッと掛けてくれた。



「間に合って良かった。この羽織が、主を守ってくれると思ってね」
「歌仙さん…もう直してくれたのか…?」
「何となく…主なら一緒に行くと言い出しそうだと思ってね。あの人もそうだったから。…うん、丈も丁度よいし、似合ってるよ」
「歌仙さん…ありがとう」
「はい、じゃあ次はあの機械について教えるよー」
「あぁ。主は初めて扱うのだから、一から丁寧に説明しないとな」
「全く、雅を解さない人達だな。そんなに急かさなくて良いだろうに」
「っていうかただの嫉妬だよね」
「わかりやすいですねー」




清光くんと長谷部くんが機械の操作を教えてくれ、
年代・時間・場所を設定した。






「では、行って来る」






優しい光に包まれて
我々は一瞬にして、別の場所へ移動した。


















ー宇都宮城ー




「ここが…宇都宮城…」
「主、俺の傍を離れないでくださいね」
「…清光」
「分かってる。今偵察を…」
「東門の城壁の上に不吉な気を感じるな」
「…え?」
「あ!ほんとうです!!あそこにいましたよ!!」
「え…嘘でしょ…」
「主さんすごーい!!」
「こら乱、騒ぐな。皆も慎重に行動するように」
「それ隊長の俺の台詞なんですけどー」
「なるほど…あれが時間遡行軍…」
「敵は1か所に集まってるね」
「これなら楽勝でしょ。みんな…行くよ!!」







みんなそれぞれに飛び出して行った






…んだけど






「ちょ、主!? 待って危ないから下がって…」

「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!!」

「!?」




主が手を動かしながら何かを唱えると
時間遡行軍はあっけなく一撃で壊滅した。




「え…」
「…えっと…、これは…」
「ふむ。時間遡行軍にも陰陽術は通じるようだな。良かった」
「今の…主さんが…」
「あぁ。皆、怪我は無いか?」
「か…カッコいいよ主…」
「そうか? それは嬉しいな。さぁ、帰ろうか」













「おっと…、もう帰って来たのか。流石だな…。…ん?どうしたんだ皆?」
「随分と落ち込んでいるように見えるが…」
「よく分からんが、先程からこの様子でな…」
「えっと…、長谷部? 燭台切? 何があったんだい?」







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