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とうらぶ夢倉庫(長編館)

第6章 初陣




「衣装棚? 乱、なんだそれは」
「僕も初耳なんだけど…」
「僕も初めて聞くね」
「ま…待て! 何故お前たちがあの衣装棚を知っている!?」
「長谷部の旦那は何でそんなに慌ててんだ?」
「あ…慌ててなど…」
「僕が前に主に聞いて、さっきみんなで開けてみたんだけど?」
「主さんとっても可愛かったんだよ♪」
「なっ!? まさか主、あの衣装をお召しに…」
「あぁ、1着だけな」
「…その話を詳しく」
「その前に、長谷部くん。まさかとは思うが…あの衣装、まさか、キミが…?」
「あ…主、誤解です…誤解ですので、そのよく分からない札を俺に向けるのをやめて頂けますか…」





ふむ。まぁ、今日のところは信じてやろう。





「皆、出撃に備えて準備があるだろう。1時間後、出撃するメンバーは庭に集合とする」





元気の良い返事と共に、みな部屋へ戻って行った。
さて、私も準備をせねばな…。







1時間後





庭には、準備を終えた6振りと
見送りに他のメンバーが勢揃いしていた。
装いの違う出撃メンバーの姿が、普段よりずっと頼もしく見える。




「皆、揃ったようだな。では、参るとしよう」
「…ん? 主? まさか主も行くおつもりですか?」
「? 当然だろう?」
「な!? いけません主!! 危険です!!」
「そ、そうだよ! 待ってて貰えばすぐにやっつけて来るから!!」
「主様、生身の人間が時空を超えるのは時間圧の影響により身体への負担が…」
「しかし、無理、という訳ではないのだろう?」
「う…」
「案ずるな、私は巫女。その辺の一般人と一緒にして貰っては困る。それに…」
「それに?」



「兄様から昔教わってな。”審神者”とは、歴史と刀剣男士達を守るのが役目であると。私も、兄様のように皆を守りたい。悪いが、それだけは譲れぬ」



「…あーあ。そんな目で言われたらさぁ。ダメって言えないじゃん。ほんっとソックリだよね、似た者兄妹」
「確かに…今の瓜二つだったね」
「頼もしいね」
「なんか、今の嬉しかったな、僕」
「ぼくもうれしかったです!」
「全く…。かしこまりました。主はこの長谷部が必ずお守り致します」
「皆…ありがとう」
「礼を言うのはこっちだろう大将」
「そうだね…。あぁ、主、ちょっと良いかな?」
「ん?」


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