第6章 初陣
皆でお茶を楽しんだ後は
また部屋で長谷部くんと書類との睨めっこが始まった。
「良いですか主、こちらの書簡には政府からの案内がしたためられております」
「政府から?」
「はい。遠征や出撃の依頼、時間遡行軍の情報など、必ず目を通して頂きたい重要書簡です。審神者にしか閲覧が許されませんので、残念ながら俺が代わりに代読することも出来ません」
「なるほど…。早速目を通してみよう。どれ…」
そこには大きな文字で簡潔に記されていた。
「出撃要請、宇都宮城」
「やはり、来ましたか…すぐに皆を招集致します!!」
長谷部くんは大きな鈴を鳴らして皆を招集した。
「宇都宮城かぁ。何だか懐かしいな」
「そうか、皆兄様と共に出陣した事があるのだな」
「その通りです。確かに宇都宮城は難易度の高くない場所ではあるが…、皆、一度刀に戻った時に練度も下がってしまったからな。己の力を過信して油断せぬように!!」
「そのような事が…。では清光くんは…」
「俺は刀には戻ってないけど…あの人が、一人だけ練度が高いと危ないからって、下げられたんだよね」
「兄様が…。きっと、何か理由があったのだろう」
「うん。俺もそう思うよ」
そして、こんのすけに出陣について教わった。
出陣に出るのは6振り。
その中で隊長を任命し、庭にある機械を操作し行くのだと。
「さあ主、任命下さいこの長谷部を…!!」
「ふむ…。…よし。決めたぞ」
隊長 加州清光
続いて
大和守安定
へし切長谷部
燭台切光忠
乱藤四郎
今剣
「お、俺が隊長? 見る目あるじゃん主♪」
「な…何故だ…」
「先程、手合わせを見学しその実力を見たからな。清光くん、そして安定くん。頼んだぞ」
「任せて!!」
「ま、パパっと片付けてくるよ」
「主様、出陣の際に一番活躍した者には、”誉”を与えてあげてくださいね」
「誉…そのようなものがあるのだな、こんのすけ。また詳しく聞かせてくれ」
「かしこまりました」
誉、という言葉に目を輝かせる男士たち。
「主さん! 僕が誉を貰ったら、ご褒美にあの衣装棚の可愛い服着て欲しいな~♪ ふりふりした可愛いやつ♪」
「あるじさま! ぼくはキラキラしたあのふくがよいです♪」