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とうらぶ夢倉庫(長編館)

第3章 鍛刀



「さぁ、教えてくれ。一体どんな呪文を詠唱するのかを…」
「いや呪文とか無いから」
「何!? ではどうやって…!? やはり式神を用いて…? いや呪符か? それとも…」
「全部ハズレだからそのよく分かんないアイテム仕舞ってくれない?」


なんてことだ…。
今まで行ってきた召喚術とは仕様が異なるようだ…。
審神者…奥が深い…!!


「それから、鍛刀する前に一つ約束して」
「何だ?」
「昨日みたいに、夜中に刀剣男士の部屋に行くの禁止」
「え」
「ダメだからね」
「うぅ…」
「そんな顔をしてもダーメ。…っていうか、これアンタの為に言ってるんだからね!?」
「?」
「あぁもう…取り敢えず約束!で、ちなみに、使うのはこれね」



何やらたくさん持って来てくれた。


「この資材を組み合わせて使うってワケ。簡単でしょ?」
「組み合わせて使う…?」
「使用する量によって顕現する奴は違うけど…とりあえずやってみたら? …まぁどうせ最初は短刀だろうけど…」



…気のせいだろうか?
なんだか、清光くんの表情が少し曇ったような…?


「習うより慣れろ!ってね。ほら、やってみなよ」
「あぁ、そうだな…」


とりあえず…こんなもんか?
えいっ


一瞬、目が眩むほど光って


それから…






「ぼくは今剣!! よしつねこうのまもりがたななんですよ♪」




とても可愛い少年が顕現した。




「キミも…刀剣男士…私が、鍛刀した…」
「そうですよ! あなたがあるじさまのいもうとさまですね!! なかよくしてくださいね♪」
「………」
「………何?」
「この差」
「うるさいんだけど」
「ふたりとも、ケンカはダメですよ?」
「喧嘩じゃないよ今剣」
「よし、もう一回!」





もう一度、資材を投げ込んだ。
すると今度は





「ボクは乱藤四郎だよ! あ、あなたが主さんの妹さんだね!! 会えて嬉しいな~♪」
「………」
「イチイチそんな目で見ないでくれる?」
「え?何?どうかしたの?」
「「別に何でもない」」
「わぁ、いきがぴったりですね!」



賑やかな二振りを加えてわいわい話していると
ボソッと



「やっぱり…そんな簡単には来ないよな…」



そんな風に呟くのを耳にした。

それは、一瞬だったけど

酷く寂しそうな横顔だった。






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