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とうらぶ夢倉庫(長編館)

第3章 鍛刀




「美しくて惚れ惚れしてしまいますなぁ」
「うん。そうだね…って!? こんのすけ!? いつの間に!?」
「ははぁ…やはり加州殿も…」
「ちょっと、何。そのニヤついた顔ムカつくんだけど」



そんな話をしていたら
舞は終わったようで、主はゆっくり深呼吸していた。




「待たせたな。退屈だっただろう?」
「そんなことは御座いませぬぞ。加州殿も…」
「こんのすけ黙ってて」
「よく分からんが…仲が良いなかしゅ…あー…、清光くん、とこんのすけは」
「いい加減慣れてよ、清光って呼ぶの」
「はは、いつの間にか、”加州くん”って呼ぶのがクセになってしまっていてな」




昨日、そんなに名前呼ばれたっけ?
まぁでも…悪くないかな、そんな風に言って貰えて





「あぁ、そうだ。次はあの大きな樹のところまで行きたいんだが…」
「今度は一体何?」
「まるで御神木のようだから、一度触れてみたくてな」
「ふぅん。巫女って大変だね」







少し休憩を挟んでから、あの丘の樹の所まで案内した。
俺は見慣れてるけど、主は物珍しそうに目を輝かせていた。
樹を見上げたり、幹に触れたり、何かを祈るようだったり…

そんな主を見ていたら飽きなかった。




今はまだ弥生の月だからもう少し先になるけど
早く主に見せてあげたい。
満開の桜を。
毎年、みんなで花見したっけ…。





そうだ。
そろそろ、主に教えとかないと。




「主、満喫出来た?」
「あぁ、素晴らしいなこの樹は」
「まぁね。満喫出来たなら、そろそろ鍛刀を教えとかないとね」
「鍛刀…?」




本当はさっさと教えて、仲間をこちら側へ戻したかった。
なのに
もう少しだけ、二人でいるのも良いか、なんて
まさか俺が、そんな風に思っちゃうなんてね…



流石、あの人の妹だよ


調子狂うなぁ…



悪くは、無いんだけどね










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鍛刀。

それは、私に分かりやすく説明するなら、刀より付喪神(刀剣男士)を召喚する事だとこんのすけに教わった。


とうとう、私も兄様のように刀剣男士を召喚する時が来たのですね…



「随分気合入ってない?」
「当然だ。なんせ刀剣男士を召喚する儀式なのだからな…。緊張する…」
「そんな大袈裟な」




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