第3章 鍛刀
その夜
「清光くん、少し良いだろうか?」
「はぁ!? ちょ、何でまたこんな時間に来てんの!? 約束忘れたワケ!?」
「あぁ…すまない…でも今じゃないとダメなんだ」
「は…? ちょっと待ってて」
しばらくして、清光くんが出てきてくれた。
「…で? 何なの?」
「今夜は満月だ」
「…は? …あぁ、そうだね。綺麗な満月…」
「満月の夜は神気が溢れていてな…」
「また巫女の話?」
「…鍛冶場まで、案内してくれるだろうか?」
「…え? 今から!?」
「うむ♪」
静まり返った鍛冶場に、月の光が漏れていた
「今電気付けるから…」
「あぁ、必要ない。すぐに終わる」
「…一体何のつもり?」
「今なら…あの満月のように、清光くんの曇り顔も晴らせてやれると思ってな」
「…え…」
「神気を纏った巫女は人々を救う、それを、証明しよう」
「なに、言って……」
資材を投げ入れる
そして
現れたのは
「…大和守安定。ここは…」
「…嘘…でしょ…」
「どうだ清光くん」
「巫女も、役に立つだろう?」
続く