第19章 梅雨(水心子正秀ver) ★
「水心子くん? 何をしているんだ?」
その声にハッとして、振り返ると。
そこにはばすたおるを巻いただけの姿の彼女が立っていた。
「なっっっ!!?? 何て格好を!!!???///」
「え? あぁ、服も下着もまだ乾いていないから、まぁ仕方ないかと…」
「へっ、あ、あぁ…そ、そうだな…た、確かに……」
そう言われてみれば、そうである。
外套や帽子がある私と違って、彼女は巫女服。
更に出会った頃には既に雨に濡れていたのだから、下着まで濡れてしまっていても、仕方のないこと。
…なんだけど…。やはり、その…。目のやり場に困る。
「先に湯あみをありがとう。ガラス張りである事さえ気にしなければ、中々に快適な浴室だったぞ」
「そ、そうか…。では、私も湯あみを頂くとしよう…」
出来るだけ彼女を見ないようにしながら、私も浴室へと向かった。
見てしまったら、何かが抑え切れない気がして。
あぁ…。心臓が、煩い。
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「……、ふう」
確かに、浴槽も広く、快適な浴室だった。
最初はガラス張りという空間に落ち着かなかったけど、彼女も気を使ってこちらを見ないようにしてくれていたようだし、途中からは気にならなくなった。
ゆっくり湯あみ出来た事で、少しは落ち着いたし。
大丈夫。私は新々刀の祖。
何があっても紳士的に接しよう。
そう心に決めて、そんなに濡れずに済んだYシャツとズボンだけ身に着けて、脱衣場を出た。
………が。
『…はぁ…♡ そう、上手だね…。気持ちいいよ…♡ あっ…、ソコ…もっと…♡』
大画面に映し出されている卑猥な映像。
それをじっと見つめている彼女の姿。
「なっ……!?? 何をしてるんだ!!???///」
「あぁ、もう上がったのだな」
彼女はこんな状況にも平然としていた。
「な…っ、えぇ…っ!? あ、貴女という人は…な、なんて破廉恥な……っ!???」
「あぁ、これか。その、こんなものを見る機会も中々無いから、勉強しようと思って…」
「べ…っ、勉強ぉぉぉぉ!!??」