第6章 時をかけあう恋~呼び名~
呼び捨てで呼んで、とても静かな時間が訪れた。
ドクドクドク………と、自分の心臓の音が、部屋中に響いているみたいに、煩く騒いでる。
どういう反応をするのかと、緊張しながら待ってると……
「………うん。そっちの方がいい。」
家康さん……ううん。
家康は、さっきよりも少しだけ、目元の赤みが濃くなり、目元は優しく口は弧を描いて柔らかく微笑んで、そして……
優しく頭を撫でてくれた。
「~~~っ!!///」
家康の微笑みと行動に、私の顔は、急激に熱くなって、心臓の鼓動も速くなった。
「(こ、こんな風に笑うなんてっ!!ずるすぎるっ!!///)」
普段の会話でも、そんなに笑わない家康。
それを、こんな風に優しく微笑まれたら、キュンと高鳴るに決まってるし、もっと好きになる。
本当に、今日、家康のことが『好き』と気づいてから、私の心臓は慌ただしい……。
そして、未だに、頭を撫でている家康の手。
すごく優しい手つきで、ドキドキするし嬉しいし、まだこの状態でいたいんだけど………
「(でもっ!もうっ!もたないっ!!///)」
このままじゃ、ドキドキで倒れる!
そうならないためにも、胸元で握っていた手を、ギュッとキツく握って、目もキツく閉じて……
「お、お風呂沸かしてくるっ!!!!///」
家康の顔を見る余裕もなく、家康の腕の中から、お風呂場へと猛ダッシュで逃げた。