第6章 時をかけあう恋~呼び名~
「~~っっっ!!!!?/////」
ち、ちちちちっ!
近いっっ!!!!
家康さんの綺麗な顔が近いだけでなく、言われた台詞にもドキドキして、心臓はさっき以上に、かなりうるさく騒いでいて、家康さんに聞こえるんじゃないかと、ヒヤヒヤする。
「ほら、早く。」
「~~っっっ!!!!///」
そんな私の心情とは逆に、家康さんは顔を少しずつ近づけてきて、言葉でもグイグイ急かしてくる。
「(こ、こ、これ以上近いとっ、心臓がもたないっ!!!///)」
家康さんの顔が近づいてくるにつれ、私の顔はじわじわと熱くなっていくし、心臓の音がドクドクと速く脈打つ。
この近さだから、家康さんにも顔が赤くなっているのはバレバレだろう……
赤くなった顔を見られるのが恥ずかしくて、ギュッと目をキツく閉じて、顔を少し俯かせる。
「ほら、言って………」
「っっ!!///」
家康さんの少し掠れた声が耳に届いて、恐る恐る瞼を上げて、家康さんの顔をチラリと見ると、少しだけ目元が赤くなっている、翡翠色の瞳と目が合った。
そして…………
「………陽菜……言って…」
「っ!!」
二度目の名前呼び。
嬉しくて、嬉しくて、トクトク……と、速まる鼓動。
呼んでくれたのが嬉しくて、私も呼んだら家康さんも喜んでくれるかな。って思って、ドキドキしながら胸元で手をギュッと握って………
「…………い、い……家康っ……///」
震える小さな声で、好きな人の名前を呼び捨てで呼んだ。