第6章 時をかけあう恋~呼び名~
カチャカチャ…………
「「……………」」
「(……な、何話そう……!!)」
洗った食器を布巾で拭いてもらう作業を、家康さんに手伝ってもらっているけど、何を話していいのかわからず、無言のまま、綺麗になっていく食器だけが増えていく。
今まで、何気なく話しをしていたけど、今日は全くといっていいほど、家康さんと話しをしていない………
「(…私、今までどうやって会話してたの…!?)」
頭の中で、グルグルそんなことを考えていると
「………ねぇ……」
「っ!?は、はいっ!?…わっ!!」
間近で家康さんから声をかけられ、ビクリと肩が跳ねて、またまた食器を落としそうになるのを慌ててキャッチする。
「………あんた、大丈夫?今日なんか変だけど……」
「だ、大丈夫ですっ!!///そ、それより何ですか!?」
恥ずかしいところを見られ、顔がじわりと熱くなって、家康さんの顔を見ることが出来ないまま、家康さんに話しかける。
「…あぁ………あんた今日、道場に来てたよね?」
「っ!!!!!!?」
家康さんの言葉に、ドキッとして、思わず家康さんの方へ振り向く。