第6章 時をかけあう恋~呼び名~
「(………ん?なんでこんなに、心臓がドキドキしてるの?)」
家康さんの横顔を見て、速くなった鼓動に不思議に感じて、家康さんから目を離して自身の胸元を見る。
左胸を抑え、首を傾げて、もう一度家康さんを見る。
トクトクトクトク………
さっきより速くなる鼓動。
そして、さらにキラキラと輝いて見える家康さん。
「(な、なんで!?)」
なぜ、家康さんが輝いて見えるのかがわからない。
だけど、家康さんから目を離せない。
わけがわからなくて、トクトクと拍動している左胸を抑えたまま、門柱にもたれかかる。
そしてすぐに浮かんだのは―――…………
『ふふ♡恋よ♡こ・い♡陽菜ちゃん、その人のことが好きなんだよ♡』
そう言った二人の言葉…………
「~~っ!///」
二人に言われた言葉を思い出して、瞬時に熱くなる顔。
「(………家康さんのことが…………好き……?)」
心の中で、自分自身に問いかける。
すると、じわじわと温かくなっていく左胸。
それが答えな気がして、私は門柱から背を離し、自宅まで走って帰った。