第6章 時をかけあう恋~呼び名~
「??しょうこちゃん、そういうことって……どういうこと?」
全く意味がわからず、しょうこちゃんにどういうことか聞くと……
「だーかーらーっ!美容液も変えてないのに、そんなに肌艶がいいのは、陽菜ちゃんが恋をしてるってことでしょ?陽菜ちゃんにもとうとう春が来たってことだね~♡」
………………恋…?
「あー!なるほど!それで陽菜ちゃん、綺麗になったんだね!」
「そうそう♪女は恋したら綺麗になるっていうでしょ~。」
しょうこちゃんの答えに、まっちゃんは納得したのか、二人は勝手に私が恋したと決めつけ、話に華を咲かす。
だけど私は、しょうこちゃんの答えに目を見開いて固まったまま。
「で、で?お相手はどんな人?」
「どうやって出会ったの?」
ポッキーをマイク代りにして、レポーターのようにグイグイ聞いてくる二人に、固まっていた私はハッとする。
「ち、ちょっと待って!!私、恋なんてしてないよっ!!」
首と両手を左右に勢いよく振って、全力で恋をしていることを否定。
「え~?でも恋以外、綺麗になった理由思い付かないし……」
「ん~…、もしかして、恋の一歩手前とか?なんか気になってる…みたいな?」
「気になる……………?」
そう言われてすぐに思い浮かんだ人は
『へらへらしてる方が、あんたらしいと思うけど』
そう言った家康さんの顔。