第6章 時をかけあう恋~呼び名~
後ろから聞こえた声に、まっちゃんと同時に振り返ったら
「「しょうこちゃん!!」」
「おはよう、二人とも。で、何でそんなに騒いでるの?」
声をかけてきたのは『しょうこちゃん』
綺麗な顔立ちをしてて、優しくて、地元を離れて学校の近くで一人暮らしをしていて、アルバイトもしながら学業も疎かにしない、すごくしっかりしている頼れるお姉ちゃんタイプの仲良しのお友達。
「しょうこちゃーーん!!どうしよーー!病理の課題やってないのーーー!!!」
泣きながらしょうこちゃんに抱きつくまっちゃん。
「えっ!?やってないの!?あー……でも病理って四限だし、休み時間使ったらなんとか間に合うんじゃ……」
「陽菜ちゃんと全く同じこと言ってるっ!!てか、陽菜ちゃん半日かかったって言ってるんだよ!?休み時間だけじゃ無理だよ!」
「いや、まっちゃんの追い込み半端ないから、大丈夫じゃない?」
「無理無理無理ーーーー!!!お願い!!!二人とも課題見せて!苺ポッキーあげるから!!!」
そう言いながら、鞄の中を漁って、毎日休み時間に食べている苺ポッキーの箱を、私たちに渡すと、目に涙を浮かべて、両手を組んで、懇願するように私たちを見るまっちゃん。
その姿に、しょうこちゃんと私は、肩をすくめ
「しょうがないな。少し手伝うよ。」
「見せたらまっちゃんのためにならないからね。」
「!?うぅ~……しょうこちゃん、陽菜ちゃん!ありがとーーーー!!」
しょうこちゃんと私は、まっちゃんに勢いよく抱きつかれた。