第5章 時をかけあう恋~ときめく想い~家康side
綺麗に平らげると、彼女が声をかけてきた。
「家康さん、おかわりどうしますか?いっぱい作ったんで♪」
「え?あぁ……じゃあ少しだけ…」
「はいっ♪すぐ入れますね♪」
お皿を彼女に渡すと、にっこりと笑って席を立つ彼女。
お皿に『かれー』をよそうと、すぐに俺のところまで持ってきた。
「お待たせしました。これぐらいでいいですか?」
「……うん。どうも…」
「いいえ♪いっぱい食べてくれて嬉しいです♪」
先ほどの半分くらいの量の『かれー』を俺の前に置くと、またにっこり笑って、俺の正面に座って食事を再開する彼女。
「良かったわね。おかわりまでしてくれて。味見してないって聞いたときはお母さん呆れたけど……」
「う……い、いいの!家康さんの口に合ってたら!家康さん!カレー、気に入っていただけましたか!?」
「え?」
おばさんと話していたかと思えば、急に不安げな表情になって、勢いで聞いてくる彼女。
「……まぁ…気に入ったけど……あんたが作った辛いもののなかでは、一番好きかな……」
「っ!!!」
正直に答えた俺の言葉に、瞬時に嬉しそうに、頬を緩めて笑う彼女。
彼女の笑顔を見て、やっぱり俺の心臓は、またしてもトクトク……と鼓動が速まっていた。