第5章 時をかけあう恋~ときめく想い~家康side
「すみませんっ!家康さん…。ずっと籠持ってもらってっ……、あのっ、重くないですか!?あ、カート持ってきた方がいいかなっ……」
そして慌てた様子で、入り口にへと向かおうとするのを、彼女の手首を掴んで止める。
「えっ……家康、さん…?」
「別にこれぐらい、どうってことないから。あんたは気にしなくていい。それより、他に買う物は?」
「あ…あとは、もうお会計するだけです……」
「そう。なら会計しに行くよ」
そう言って、彼女の手首から手を離し、『れじ』とかいう会計をする場所へと歩き出す。
すると彼女もパタパタと俺についてきた。
「ありがとうございました~!」
彼女が会計を終え、買ったものを二人で袋に詰めていく。詰め終わると彼女が手にする前に、俺は袋を持つ。
「あっ!家康さん、私も一つ持ちますっ!」
「別に軽いから大丈夫だけど。」
「で、でも…二つも持ってもらって……なんだか悪いし……一つ持ちます!」
困ったような顔をして、手をバッと出して、袋を持とうとする彼女。
「…………いい。あんたは危なっかしいから、袋持ってたら、転けたときに受け身とれないでしょ。」
別にこれぐらいの重さ、本当にどうってことないし、それとらしい理由を言って、俺は歩き出す。
「へ?受け身……?って、家康さん!待ってくださいっ!!」
パタパタと小走りで追いかけてくる彼女。
彼女が俺に追いつき横に並ぶと、俺を呼び掛ける。
「持ってくれてありがとうございます!晩ごはん、頑張って作りますね!」
満面の笑顔で、そう告げる彼女。
その笑顔を見て、また俺の心臓の鼓動は跳ねた。