第4章 時をかけあう恋~ときめく想い~
すると
「っ……!」
勢いよく家康さんは顔を逸らして、私に顔を見せないようにする。
「??家康さん、どうしました?」
「なんでもないっ…それより、あんたが晩ごはん作るんなら、買い物とかあるんじゃないの?俺、晩ごはんの食べたいの決まった。」
「あ、そうだ!買い物しないと!家康さん、何食べたいんですか?」
「辛いもの」
「えっ!!またですか!?うーん……麻婆豆腐も豚キムチも作ったし……」
手を顎にあてて、まだ作っていない辛い料理を頭の中で考える。
「(あ!まだアレ作ってない!)」
まだ作っていなかった辛い料理を思いだし、顔を逸らしている家康さんの顔を、横から覗きこむようにして見る。
「家康さん!晩ごはん決まりました!ご希望通り、辛いもの作りますね♪」
「……っ、あぁ…よろしく頼むよ……」
覗きこむよう家康さんの顔を見たけど、またすぐに逸らされて、家康さんの顔はよく見えなかった。
「はい!!私、買い物行くんで、家康さんは先に家に帰っててください。」
「俺も行く。」
「え?」
「……あんた抜けてるとこあるから、何処かで転けて、買ったものが散らばったら大変だし…しょうがないから荷物持ちとして行く……」
「っ!ありがとうございますっ!!」
笑顔でお礼を伝え、先々歩く家康さんの半歩後ろを付いていく。
トクトク……と鼓動が早くて温かい胸。
なんでこうなるのかはわからないけど、でもなんだか幸せな気持ちにさせてくれる。
「(……そういえば家康さん、覗きこんだとき顔は見えなかったけど、耳が赤かったような……?)」
半歩前を歩く家康さんをチラリと見る。
顔は見えないけど、さっきよりかは耳の赤みは落ち着いてる。
「(……暑かったからかな…?)」
なんとなく、聞いても教えてくれなさそうな気がしたから、自分で自己解決をし、ジメッとする暑さの中、気休め程度に手でパタパタと扇ぎながら、二人でスーパーへと向かった。